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アジア通信
第8号 2010年3月26日発行
ANMC21共同事業の紹介
ANMC21共同事業のひとつ「2009インテリジェント都市ICTフォーラム台北」が東京で開催されましたのでご紹介します。

「2009インテリジェント都市ICTフォーラム台北」
 アジア大都市ネットワーク21の共同事業の一つである「都市の発展に向けたICT戦略」の取組として、「2009インテリジェント都市ICTフォーラム台北」が、平成21年9月22日から23日にかけて台北市の主催により台北大学で開催されました。
 このICTフォーラムは、参加都市のICT(情報通信技術)に関する成果や経験をお互いに共有し、アジアにおける電子政府化、ブロードバンドの普及や活用に向けた戦略を推進することを目的としています。

 今回、東京都の代表としてご参加いただいたお二方に、ICTフォーラムについてのお話を伺いました。

Report 東京都 都市整備局総務部 飯塚調整担当課長
都市整備局総務部 企画経理課 大野主任

右から都市整備局飯塚課長、大野主任
 今回のICTフォーラムでは、台湾政府、台北市、台湾の企業、東京都、ゴールドコースト市から7団体が参加し、発表を行いました。
 1日目は、各団体からIT基盤整備、ICTを活用した様々なサービス、今後の展望などについて発表があり、各都市が、ICTの分野で10年足らずの間に目覚しい発展を遂げていることを改めて感じることができました。
 台北市の取組として、FTTH(光ファイバーによる家庭向けのデータ通信サービス)と高速ワイヤレスブロードバンドのインフラ整備に力を入れていることや、駐車場、地下鉄、バス、タクシーの支払ができ、学生のIDとしても使用できるイージーカードなどの紹介が印象的でした。
 東京都は、「東京ユビキタス計画」について発表しました。これは、先端技術をまちづくりの面で活用する取組です。道路や街路灯などに埋め込んだ、ICタグなどの小型のコンピュータを活用することで、必要な情報を、いつでも、どこでも、誰でもが、手に入れることが出来る、ユビキタス社会の実現を目指しています。
コールセンター
 2日目は、台北市の防災センターとコールセンターを視察しました。このコールセンターは、市民から寄せられる緊急性のないすべての要求に対応するワンストップサービスセンターです。電話で「1999」にかけるだけで繋がり、駐車違反、ゴミ処理、道の陥没、街灯の球切れ、宿泊施設や飲食店の紹介依頼の単なる相談など、ありとあらゆる市民の問い合わせに応じるということでした。
 このような多岐に渡る市民要望をワンストップで対応するには、各組織間の強固な連携が不可欠ですが、台北市がこの連携体制を構築し、高度な住民サービスを提供していることに敬意を表したいです。

懇談会で台北市副市長と挨拶
 最後に、今回のフォーラムで最も印象深かったことは、台北市職員の英会話スキルとホスピタリティの高さです。発表会場、市の施設、懇親会で多くの台北市職員と交流を持つことができましたが、皆さん英語が堪能で、とても親切に対応してくれました。この状況に感銘を受けると共に、コミュニケーションツールとしての英会話スキルの重要性を再確認しました。
 各都市の先進的なICT事業に関する取組を共有するだけでなく、貴重な人脈形成の機会にもなり、大変有意義でした。