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アジア通信
第9号 2010年6月30日発行
ANMC21研修事業の紹介
 ANMC21では、会員都市の行政職員や専門家を対象に、専門分野ごとに様々な研修プログラムを設けています。今回は、2009年11月、及び、2010年3月に行われた「救助技術研修」を紹介します。

東京の救助技術を世界に! 〜救助技術研修(実施レポート)〜
指導者研修 In Tokyo 2009年11月9日〜20日
はしごを使った訓練
 ANMC21参加都市で構成する「危機管理ネットワーク」では、アジア各都市における救助技術の推進指導者を養成し、各都市の実態に即した消防救助技術の向上を目指す救助技術研修を実施しています。昨年11月、マレーシアからの研修生2名を迎え、東京の救助技術を伝える研修が実施されました。東京消防庁は消防救助機動部隊などのレスキュー専門部隊を擁し、レスキュー技術の高いノウハウを持っています。研修ではマレーシアではなじみのない技術を伝えるべく、ロープ1本で救助活動ができるよう工夫したロープレスキューや、附属のロープを引っ張ると延長できる「三連はしご」を使った訓練等が行われ、研修生からは「非常にためになった」との感想が寄せられました。

救助技術研修 In マレーシア 2010年3月1日〜3月12日
ロープ降下訓練
 3月には、マレーシアにおいて11月の研修のフォローアップが行われ、研修成果の定着が図られました。
 東京で学んだ研修生が今度は教官となり、また東京消防庁からも現役のレスキュー隊員を派遣し、マレーシア市民保護局の隊員21名に救助技術を伝授しました。
 研修カリキュラムは現地での設備・機材を確認し、綿密なミーティングを重ねた上で組み立てられ、担架やロープを用いた技術がていねいに伝えられました。技術以外にも、隊長を中心に、統制のとれた活動を実施する方法について、高い評価を得ました。今回の研修の中で組み立てられた研修カリキュラムは、今後、マレーシア市民保護局の国内すべての研修センターで用いられ、広められていく予定です。
 国を越えて伝えられた東京消防庁の救助技術が、今後マレーシアで広く役立てられることが期待されています。