ANMC21では、大都市に共通する課題を解決するため、アジアの首都及び大都市が協力して共同事業を進めています。今回は、「アジア感染症対策プロジェクト」を紹介します。
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「アジア大都市感染症対策プロジェクト会議・共同調査研究会議」を開催しました!
アジア感染症対策プロジェクトは、アジア各都市の感染症対策の経験やノウハウを共有し、専門家(医師・研究者等)による恒常的なネットワーク構築により、国境を越え伝播する感染症への迅速な対応を目指し、会議、研修、共同調査研究を各都市が協力して取り組むことを目指しています。
平成22年2月2日から4日までの3日間、「アジア大都市感染症対策プロジェクト会議・共同調査研究会議」を東京で開催し、バンコク、ハノイ、ジャカルタ、台北及び東京の5都市が参加しました。
今回の会議では、昨年発生した新型インフルエンザの発生・対応状況やHIV/AIDS対策、結核対策等について各都市が報告、意見交換を行うほか、WHO西太平洋地域事務局メディカルオフィサーの大津聡子氏による基調講演、医療機関への視察等を行いました。また、平成21年度よりスタートした結核をテーマとした共同調査研究については、互いに進捗状況を報告し、今後の分析やまとめの方向性について議論しました。
主な成果は下表の通りです。
開催中は寒い日が続き、雪が降った日もありました。アジアの暖かい都市からの参加者の中には、生まれて初めて降りしきる雪を見た方もいました。会議成果はもちろん、各都市の気候や文化、習慣等に触れることができた有意義な機会となりました。
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@新型インフルエンザ対策
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■ H1N1パンデミックへの対応について各都市から報告した後、大津氏にも参加いただき、抗ウイルス薬の使用方針やワクチン接種について意見交換を行いました。また、予防における手洗いの重要性が認識され、その周知方法について情報を共有しました。 ■ 鳥インフルエンザの感染者・死亡者数ともに世界で最も多いジャカルタからは、鳥インフルエンザの発生・対応状況について報告があり、経験していない都市にとっても興味深い報告となりました。 ■ サーベイランス体制は、各都市により方法は異なるものの、その重要性の認識は一致しており、今後の対策の要の1つであることを確認しました。
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AHIV/AIDS対策
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■ バンコクから、結核とHIV/AIDSの合併症について報告があり、ケアの統合等の課題について、意見交換を実施しました。 ■ 若者向けの普及啓発は各都市共通の課題であり、若者へのアプローチ方法等について、情報を共有しました。
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B結核共同調査研究 |
■ WHOの推計によると、全世界で1,100万人が発病し130万人が死亡している結核*は、特にアジア地域に多数の患者・感染者が存在しており、本プロジェクト参加各都市にとっても課題であることから、3ヵ年の共同調査研究を行っています。 ■ 会議では、各都市から調査の実施状況を報告するとともに、今後の方向性・進め方を議論し、マッピング(結核ケア拠点地図)や結核患者パスウェイ(結核ケア過程図)の作成に取り組み、平成23年(2011年)までにまとめることで、合意を得ました。
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