平成22年7月26日(月)から29日(木)にクアラルンプールで開催された「都市整備マネジメント研修」に参加した、東京都建設局河川部計画課低地対策係井上政明さんからの参加レポートです。 |
Report 「都市整備マネジメント研修(参加レポート)」
私はこの度、マレーシア・クアラルンプール市で実施された「都市整備マネジメント研修」に参加しました。本研修は、アジア大都市ネットワーク21共同事業の一つであり、アジアの大都市の都市開発及び都市経営等に関する高等教育の提供を目的とし、クアラルンプール市が幹事都市となり行っているものです。
|
研修は、主にプレゼンテーションと現場視察の内容で行われました。
プレゼンテーションは、都市開発という大きなテーマのもと、スラム問題の解消(インド)、交通網の整備(マレーシア)、震災被害の軽減に向けた取り組み(バングラデシュ)、官民協働による水事業の紹介など、多岐にわたる内容が各都市から紹介されました。発表者の所属も地方公共団体やNPO、企業、大学など様々で、それぞれの立場から、問題に対する取り組み事例の紹介や今後の課題について発表を行い、ディスカッションの時間では活発な意見交換や質疑応答を行うことができました。
|
東京都からは、自然災害と気候変動への対策に関する先進的な取組事例として、中小河川の洪水対策や低地河川の高潮・地震対策、総合治水対策、防災情報の伝達システム整備などの河川事業について紹介しました。東京都の現状や実践、政策を紹介することで他のアジア諸都市が抱える問題解決の一助となるような情報提供ができたほか、幅広い分野に関する他国の事例を学び、意見交換できたことで、自らの問題意識を高め視野を広げることができたと感じています。
|
現場視察では、プトラジャヤ市などを訪れました。
マレーシアの首都クアラルンプールでは、慢性的な交通渋滞が深刻になっていることに加え、連邦行政機関が市内に点在していることにより、行政機能の非効率が問題になっています。そこで首都機能を集積し効率化を図るために開発が進められているのがプトラジャヤです。
|
面積約49ku(東京都江戸川区と同程度)のうち約37%を緑地が占めており、人造湖などもあります。そこに官庁施設、モスク、住宅、商業施設等が計画的に配置され、開放感とうるおいが溢れる都市が形成されています。
|
東京や首都圏で同規模の開発を行うのは困難ですが、職住近接・様々な機能の集積を実現した都市を視察できたことは、これからの都市のあり方を考えるうえで非常にいい経験となりました。
ぜひ今回の研修での経験を今後の業務に生かしていきたいと思っています。
|