Japanese
|
English
第14号
2011年5月17日発行
目次へ戻る
2
アジア大都市ネットワーク21共同事業の紹介
アジア大都市ネットワーク21(ANMC21)では、大都市に共通する課題を解決するため、アジアの首都及び大都市が協力して共同事業を進めています。今回は舞台芸術に関する共同事業を紹介します。
(1)「アジア舞台芸術祭」を開催しました
初顔合わせでのスキルアピール(ソウル)
ANMC21の共同事業のひとつである「アジア舞台芸術祭」では、平成22年10月31日から11月9日までの間、「国際共同制作ワークショップ」を東京舞台芸術活動支援センター(水天宮ピット)で開催しました。
この「アジア舞台芸術祭」は、アジアの舞台芸術を通じて、相互理解と文化交流を促進し、アーティストの相互交流による新しい舞台芸術の創造につなげるとともに、優れた人材や舞台芸術を発掘し、世界に発信することを目的としています。
今回のワークショップでは、ソウル・台北・東京の3都市から、新進気鋭の若手アーティスト達が東京に集合し、交流しながら10分程度の小作品の制作にチャレンジしました。
稽古風景
(ソウルと東京のアーティスト達)
初日の顔合わせでは、25人の俳優・ダンサーがお互いのスキルを披露し合い、その後、6人の演出家ごとのチームに分かれました。
翌日から制作を開始。「家族」という統一テーマのもと、演出家の皆さんは俳優等の個性を見極めながら、テーマに即したコンセプトを練り上げ、稽古に臨みました。はじめは、言葉の壁にとまどうアーティスト達も、そのうち言葉なしでも、ある程度理解し合えるようになったようです。演劇を含むすべての芸術が、普遍的な言語であると感じたアーティストも少なくありませんでした。
そして11月8日、9日の上演会を迎えました。会場となった水天宮ピットの1階から3階までのスタジオを使い、約1週間で作り上げた小作品を熱演しました。観客は、プログラムの進行に合わせて、会場を移動しながら観劇しました。
「Waiting for Something」
原作:サミュエル・ベケット
「ゴドーを待ちながら」より
誤意訳・演出:中野成樹(東京)
一つの作品をご紹介します。東京の演出家・中野成樹さんのチームです。男(東京)と女(ソウル)がちゃぶ台を間に会話しますが、お互い話が通じず「俺たちこんなんで結婚できるかな。」と男は途方に暮れます。言葉の壁それ自体をテーマにしたユニークな作品で、乗り越えがたい文化の違いに戸惑う2人の演技に思わず引き込まれ、会場は笑いと賞賛に包まれました。
その他、5つの作品がありましたが、いずれも文化的な差異をどこかに感じさせるユニークな作品であり、多くの観客を魅了していました。参加したアーティスト達にとっても、今回のワークショップは、視野を広げ、活動の幅を広げてくれる貴重な経験となったようです。
▲目次へ戻る
▲ページのトップへ
発行:アジア人材バンク Asian Human Network Databank
© Tokyo Metropolitan Government