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アジア通信
第15号 2011年7月21日発行
大都市の先進的な取組
 アジア大都市ネットワーク21(ANMC21)会員都市の、先進的な取組を紹介します。

(1)From ソウル 〜水辺からの都市再生〜
 都が実施している政策課題研修でソウルを訪問した都職員からの報告をご紹介します。

REPORT:スポーツ振興局 競技団体担当係長 藤崎哲朗さん

 私は、「魅力的水辺空間の創出による都市再生」をテーマに、3ヶ月で世界6カ国を調査してきました。その中から、とても印象的だった韓国・ソウルの水辺の取組について紹介します。

○清渓川(チョンゲチョン)再生プロジェクト
 ソウル市役所から繁華街を流れる清渓川。かつては、川の上に蓋がされ、その上に高架道路が建設されてある無機質な空間でした。しかし清渓川再生プロジェクトにより、高架道路を撤去し、緑豊かな川を復元したことで、市民や観光客に憩いの空間を作り出しました。現在は、豊かな緑が都心に潤いをもたらしているだけでなく、サギやカルガモなどの生態系が川から蘇ってきており、都心で自然との共生も実感できました。市民にも好評のようで、安全のため、小雨時に清渓川の河川敷を立ち入り禁止にすると、苦情が多く寄せられるとのことでした。

プロジェクト実施前の清渓川   プロジェクト実施後の清渓川

○漢江(ハンガン)ルネッサンス
 もう一つ、ソウルには、東西に流れる大河川「漢江」があります。漢江の河川敷は、花の美しい市民公園として、開放されており、交番、コンビニ、屋外プール施設、レンタサイクル所、水上レストラン、水上タクシー乗り場など様々な施設があり、憩いの空間として活用されていました。
 ソウル市は、現在さらに、漢江ルネッサンスという水辺改善事業を進めており、川を単に憩うだけでなく、より集客力の高い、楽しめる空間に変貌させています。橋詰めに作られた橋カフェや、河道内のフローティングアイランドに建設中のコンベンションセンターもその施設の一つです。

人々で賑わう漢江敷きの市民公園 漢江ルネッサンス計画図

 このようにソウルでは、国際競争力強化を目的に都市の魅力を高めるべく、水辺からの都市再生が次々に行われています。こうしたプロジェクトは今も次々と計画されており、ソウル市民だけでなく、世界的にも高い注目を集めています。