2011年9月27日、ソウルにて「大規模災害における危機管理組織の役割の変化」をテーマにアジア危機管理会議が開催されました。
2011年7月のソウルでの集中豪雨からの教訓をはじめ、各都市がそれぞれに抱える災害対策の課題やこれまでに得た教訓について、活発な議論がなされました。
東京都は「東日本大震災から学んだ教訓」をテーマに、東京消防庁、警視庁、東京都庁総合防災部から3人が発表を行いました。
東日本大震災が発生した際に各機関が行った活動報告や、活動を経て見えてきた課題についての東京都の発表は、各都市から大きな反響を呼びました。
今回の震災時の活動を通して得られた教訓は、様々な課題を抱えるアジアの都市においても貴重な事例として捉えられ、都市間における広域的な連携の必要性について、参加都市相互に認識を新たにしました。
また、東京消防庁の福島第一原子力発電所での活動についての報告には、その献身的な行動に大きな拍手と賞賛の声が上がりました。
会議では、危機管理関連施設の視察も行われました。
28日には、漢江(はんがん)に浮かぶソウル市水上消防署で、参加者が実際に消防艇に乗り込み、放水する模様を視察しました。
ソウル市水上消防署は、名前のとおり、川に浮かぶ消防署です。ライフジャケットを装着し消防艇に乗り込んだ参加者たちは、消防艇からの放水の模様などを興味深く視察しました。
さらに、危機管理会議から2週間後となる10月9日から11日まで、第10回目となるANMC21総会が、同じくソウルで開催されました。
総会では、東京、マニラ、ソウル、台北から、東日本大震災や、洪水、台風などの大規模災害への対応・防災マネジメントについて特別報告が行われ、今後、各都市の経験やノウハウ、技術の共有と、これを踏まえたより効果的な防災対策の検討に取り組むことに合意しました。
これらの会議を通じて生まれたネットワークは、各都市の危機管理における協力関係をより強固なものにしていくでしょう。 |