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アジア通信
第19号 2012年3月22日発行
東京からソウル、そして、マニラへ
〜ANMC21事務局スタッフの1年間〜

 2011年4月から、アジア都市間のネットワーク作りに奔走したANMC21スタッフ、井上裕文が、沢山の出会いを経験した1年を振り返ります。

 

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東京のPRブース、紙風船を配っています

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ステージでの伝統音楽(ソウル)

 2011年10月、ソウル市でアジア大都市ネットワーク21(ANMC21)総会が開催されました。私はソウル総会に先行して開催されたANMC21展の東京都ブースの運営を担当しました。
 ANMC21展は、市民向けにANMC21会員都市のPRを行っています。会場は家族連れや韓国外からの旅行客の方などで賑わっていました。
 各都市のブースでは、それぞれの観光スポットが紹介され、伝統的なおもちゃ遊びや民族衣装を体験できるコーナーが設けられました。特設コーナーでは、アジアの小学生が描いた絵が展示されました。今年は総会のテーマの1つである「水辺開発」に関連し、水遊びを表したカラフルな絵が寄せられました。東京の小学生の作品では日本的なちぎり絵の手法で描かれたものがあり、作品を観ていたお客様から「是非持って帰らせてほしい」と話をいただいた際は、何だか自分のことのように嬉しく思いました(絵は事務局に持ち帰り、都庁内に展示しました。ごめんなさい!)。
 ステージでは伝統音楽や舞踊、テコンドーなどのパフォーマンスが行われました。東京都が認定した大道芸アーティスト2組がそれぞれ日本の伝統的/現代的ジャグリングを披露し、観客を沸かせました。アーティストの選考過程では、和の要素と技の完成度などを重視しましたが、その狙いは見事に的中し、大変嬉しく思いました。

 そんな中、東京都ブースの裏で東京の伝統工芸品である紙風船の準備をしていた私を呼ぶ声が。振り返ると私が東京から電話でいつも連絡を取り合っている、マニラのAMNC21担当、ポティート・モラレスさんの姿がありました(今回が初対面でした。)。マニラは、総会の直前に2つの台風が襲い、中心部に洪水や大規模停電が発生するなどの大変な状況でしたが、モラレスさんはなんとかソウルに駆けつけてくれました。彼女からマニラの話を聞いた私は、マニラに大変興味を覚えました。そして翌月、マニラへの個人旅行を決意したのです。

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華麗な技を披露する東京都のアーティスト

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左から、筆者、モラレスさん
(マニラの防災ヘルメット着用)

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MMDAトレンティーノ長官(右から2番目)と

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タール火山はよく見えないですが、山頂まで続く空の道がきれいでした!

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フィリピンの魚料理 味付けは結構甘いです

 マニラ首都圏への旅行は11月。東京は冬のような寒さですが、フィリピンは夏のような暑さでした。私はモラレスさんの案内で、マニラ首都圏開発省(MMDA)を見学させていただきました。ここでは、マニラの防災施策の紹介や洪水監視施設を案内いただきました。洪水監視施設では、複数のモニターに気象や水量等の情報が映し出されており、担当官達が厳しく監視を行っていました。有事の際に、ここで寝泊まりできるよう、ベッドも置いてありました。総会では、マニラから洪水対策等についての発表がありましたが、実際に現場を見て、この問題がいかに差し迫ったものであるかを実感しました。
 観光で印象深かったのは、マニラ近郊にあるタール火山です。首都圏からバスで2時間ほどのタガイタイという町に向かい、ジプニーというフィリピン独特の小型乗り合いバス(もちろん地元の人ばかり)に乗り換えて30分ほどの行程。世界最小といわれる火山一帯の、山頂からの眺望はすばらしいものでした。
 タガイタイを訪れた日の夜は、マニラの新しいANMC21担当のドロタンさんと夕食を共にしました。彼女とは、先のソウル総会とANMC21展で一度お会いしており、マニラでの再会を喜びました。マニラ近郊でとれた海産物を使ったフィリピン料理を囲みながら、お互いの国での生活や文化等について語り合いました。日本のアニメがフィリピンでも人気が高いことに少し嬉しくなりました。
 ソウル総会でのマニラの担当者との出会い、その後のマニラへの旅を通じて、よりマニラが身近に感じられるようになりました。また、同じように都市の問題解決に当たっている海外の仲間がいることをとても嬉しく思いました。今後も会員都市の仲間と連絡を密にしながら、アジア地域の発展のために、このネットワークをさらに強いものにしていきたいと、思いを新たにしました。