活気あるインドの街並み
インド。人口12億人の巨大市場。親日的。高い経済成長率。でも多くの日本人にとっては「神秘の国」という印象のある国、インド。そのインドで開催される第20回国際技術&産業フェアにおいて、アジア大都市ネットワーク21(ANMC21)の経済交流の取組として、東京の中小企業の優れた製品を紹介しようという今回の試みは、東京都前知事とインド大使との会談に端を発しました。
どこの国の間にも言えることですが、日本とインドでは文化やビジネスの進め方についての考え方に異なる点が多々あります。私は東京の事務局の一員としてデリーとの連絡調整を担当していますが、当初は「メールでこちらの意図が上手く伝えられていないのではないか」「次回の総会には出席してもらえるだろうか」といった小さな悩みから始まり、「そもそもANMC21の活動に熱意をもって取り組んでもらえているのだろうか・・・」などと、一人で意気消沈することもありました。
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東京とデリー準州との面会
12月の事前出張でデリー準州政府を訪れた際も、本当に会ってもらえるのか直前まで不安もありましたが、部長級のカウンターパートにお会いでき、懸案についてその場で各部署の担当者を呼んで話を通してくださったほか、前もって関連する他の州機関へのアポイントメントも取り付けてくれていたのです。おかげで、限られた出張日数を有効に使い、今回の取組についての関係機関に対する協力依頼を行うことができました。
また、デリー準州の担当者はもちろん、現地で日本企業のために活躍しておられる方と直接会ってお話しできたことで、インドに対する理解を深めることができました。たとえば「メールで仕事をする習慣があまりなく、文書主義(すべてのインド人がそうではないと思いますが!)」、「日本人から見れば意外なことにまで国の許可が必要な場合がある」ことなどです。相手の行動の背景を知るだけで、不思議と気持ちが楽になるもの。おかげで、担当者としては、単なる事前準備以上に内容の充実した出張となりました。
都庁内の協力も忘れてはいけません。当部署は、ANMC21事務局として各都市とのネットワークは持っていますが、経済交流の取組には、中小企業を所管する部署の協力が不可欠です。組織同士として調整が必要な面は多々あったものの、次第に担当者同士のネットワークも強くなり、仕事の話がスムーズにいくようになったほか、職員同士の意外なつながりも見えてくるなど、都庁職員としても新たなネットワークが作れたように思います。
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出展企業の皆さんもはっぴを着てくださいました
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「東京の応援、よろしくね」
子どもに五輪招致PRバッジをつけてあげています
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各都市のパンフレット
あっというまになくなっていきました
何より、「インドに製品を出展してみよう」という企業が7社も集まってくださったことがありがたかったです。初めて企業の皆様と顔を合わせた時には、感謝と同時に、「皆さんの出展がスムーズにいくよう、また参加してよかったと思っていただけるよう、最大限サポートしなくてはならない」という責任感が改めてひしひしと沸いてきました。
そしていよいよ迎えた2月15日からの会期。デリーにしては珍しく雨がちで肌寒い日が続きましたが、東京パビリオンは元気よく青いはっぴで来場者をお出迎え。入口を入ってすぐ右手、東京の観光DVD『TOKYO COLORS』が人目を引く好立地も手伝ったのでしょうが、何よりも各社の製品の工夫と先進性にひきつけられる人が多かったのでしょう、どのブースも人が途切れることはないのではないかと思えるような盛況ぶりでした。各社の担当にちょっと事務連絡をしたいと思っても、話しかけるタイミングを見計らうのが大変だったほど、商談も順調に進んでいるようでした。参加企業の方々の熱意と努力が、遠くインドで着実に花開いていたことを肌で感じました。
東京が進めている2020年五輪招致についてもPRを行うため、「東京を応援してください」とバッジを手渡すと、「もちろん!」「東京が勝つと信じているよ」などとお返事をいただくことが多々ありました。
ANMC21の取組ですので、東京の企業がデリーの見本市に出展するというバイの関係だけでなく、会員都市も巻き込んだマルチなPRを行うことが可能です。そこで、産業交流展でお世話になっている会員都市の属する国の在日投資促進機関等に呼びかけ、パンフレットを多数ご提供いただいて、事務局ブースに展示しました。色鮮やかな各国のパンフレットに目を留める来場者は多く、「どうして、東京パビリオンなのに、他の国のパンフレットがあるの?」というご質問をいただくことにより、ANMC21の活動もご紹介することができ、相乗効果があったことを実感しています。
商談成立件数などの具体的な成果は、まだ展示会の終了まもない原稿作成時点では判然としませんが、帰国後早々にインド企業からお問い合わせをいただくなど、手ごたえを感じていらっしゃる参加企業もあるようです。我々のネットワークをいかした今回の取組が、少しでも東京の中小企業の販路開拓や、ANMC21会員都市の経済発展に貢献できるなら、これ以上に嬉しいことはありません。
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