マレーシアは「Truly Asia (真のアジア)」というキャッチフレーズを世界に向けて発信していますが、これ以上正しい表現はありません。マレーシアがあらゆる面から見てアジアの美しい国であることは間違いありません。素晴らしい観光スポット、文化、宗教、食、人、言葉、建造物があり、伝統的なものと現代的なものが互いを高めあいながら共存しています。多くの面でマレーシアはひとつの「Pot」のように、アジアが集約されている場所だと私は思います。私が住むクアラルンプールは、人々にはKLと呼ばれており、マレーシアの最も人口が多い都市であり、首都です。この活発で賑やかな都市の住人のことを、現地ではKLitesと呼んでいます。
マレーシアと日本の関係はとても良く、私が今日本にいるのもそのお陰です。過去30年にわたり、マレーシアと日本の間では常に人の行き来があり、私のように東方(日本)に高い関心を持つ人がいます。日本を産業、教育、経済的な成功へと導いたスキルや勤労意欲を身につけたいと思う人がたくさんいます。日本人はオープンで、昨今の非常に高い経済成長を実現させた原則をマレーシアに開示することに積極的です。
日本には、私のような新世代のマレーシア人が、この日本とのギャップを簡単に超えられるようにしてくれる橋があります。首都大学東京のようにマレーシア人の学生に門戸を開放してくれる大学があり、マレーシア人の卒業生を雇用してくれる会社があり、そしてマレーシア人の学生を受け入れてくれるホストファミリーの存在があります。私自身も日本人の親切さとオープンさに大きな感動を覚えました。博士号のために来日する前、「留学が終わったとき、スキル、価値観、専門性といった面で半分でも日本人らしくなれたなら、大きな達成感を覚えるはずだ」と感じたくらいです。