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アジア通信
第29号 2013年11月28日発行
アジアの若手アスリートが日本の文化を経験
―ジュニアスポーツアジア交流大会での文化交流レポート―

 2013年8月27日から9月2日まで、ジュニアスポーツアジア交流大会が東京で開催されました。今回の大会では、事務局のインターンとして二人の大学生が文化交流イベントでの引率を体験。その時の様子をレポートします。

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参加者全員が積極的に取り組んだ書道体験

 こんにちは、インターンの関谷桃子です。
 私は交流大会に参加するシンガポール、ヤンゴンの選手団を都立井草高校に引率しました。学校に着いて参加者の代表から挨拶があった後、学校案内を井草高校の生徒さんにしていただきました。シンガポールの高校生は特に茶道室や書道室に興味を持った様子で、写真をたくさん撮っていました。また、だんだんと緊張もなくなってきたのか、日本の高校生と話をしてとても楽しんでいる様子でした。柔道場に入るときは、皆さんがきちんと礼をしていて、柔道に対する熱意と誠意を感じました。

 学校見学の後は書道部による書道体験が行われました。各テーブルに書道部員がついて、お手本を見せながら書道を教えていました。シンガポールでも中華系の学校では書道を学習することもあるそうで、やはりアジアだなと感じさせられました。参加者全員が笑顔を見せながら書道をしていて、本当に楽しんでいる様子が伝わってきました。日本の高校生も、身振り手振りで一生懸命教えようとし、またそれに参加者も答えようと積極的に取り組んでいました。皆で仲良く書道をしている姿を見て、国は違っても同じ高校生なのだということに改めて気づかされました。記念として自分の好きな字をうちわに書いて持ち帰ってもらいましたが、出来上がったものを見た参加者は顔をほころばせて喜んでいました。

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シンガポール、ヤンゴンの選手団との記念撮影

 昼食会の後、井草高校の生徒さんから応援の旗をもらい、記念撮影をしました。そこでは多くの参加者が井草高校の生徒さんと写真をとったり連絡先を交換したりして、別れを惜しんでいました。短い時間でしたが、お互いよい経験ができたのではないかと思いました。

 今回の引率で、違う国同士が交流することは新しい考え方を持つきっかけになるのではと思いました。交流することで、「外国人」というように突き放した見方をするのではなく、国は違うけれども同じ高校生で自分たちと変わらないのだ、という見方に変わると思います。それにより、他国の人々に対する抵抗が減り、もっと関わりたい、と思えるのではないでしょうか。これがまさにアジアをつなげる始まりだと思います。仲良く書道をしている姿、別れを惜しんで帰りのバスの中まで話にきた井草高校の生徒さんの姿を見て、どの国の高校生も何か外国の人に対する新しい考え方、見方を得ることができた貴重な経験をしたのではないか、と強く感じました。そんな学生たちの様子を間近で見ることができて、私自身も嬉しく思いますし、参加することができて本当に良かったと思っています。これからもアジアをつなげる一歩として、このジュニアスポーツアジア交流大会文化交流を続けてほしいと切に願っています。

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茶道の作法に四苦八苦する場面も

 こんにちは、インターンの西田明生です。
 私は、デリーの柔道選手団に同行して都立第四商業高等学校の生徒の皆さんとの交流行事を見守りました。当日は茶道体験と書道体験が行われ、その後校内見学とブラスバンド部による歓迎演奏、そして昼食会での交流、というプログラムでした。

 茶道体験ではデリーの選手たちが正座、作法に四苦八苦していましたが、片言の日本語で「オイシイ」や「アリガトウ」といった気持ちを茶道部の皆さんに伝えていました。書道体験では、デリーの選手達が筆をとっては黙々と字を書き、中には画数の多い、難しい字に積極的に挑戦する選手もいました。また、書道部の方にお願いして字を書いてもらい、喜ぶ選手もいるなど、日本の文化に親しんでもらう試みは成功しました。

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デリーの選手団との記念撮影

 初めは照れてしまい、なかなか話せなかったデリーの選手と日本の高校生でしたが、デリーの選手が日本の文化に熱心に触れるうちに両者が打ち解け、最後にはお互いに笑顔を見せながらも、やや寂しそうに別れていたのが印象的でした。

 今回の文化交流への同行は大変貴重な機会であり、次のようなことを感じました。ひとつは、日本の高校生たちが英語でのやりとりになかなか挑戦できない場面が見受けられたことです。自分自身の英語力に自信を持てず、身振り手振りで相手に伝えることもためらう様子を見ていると、とてももったいないと感じました。外国語で話すことは大きな挑戦ですが、「どんな簡単なことでも、少しくらい間違いがあってもいいから、まずは試してごらん!」と応援したい気持ちになりました。もうひとつは、異国の人々が熱心に日本の文化に触れている様子を通じて、日本の持つ文化の良さを再認識させられたことです。これまでこうした文化に関心を持つこともなく、意識したこともありませんでした。そのため、今まで気づかなかった日本文化の細やかさを教えられた気がしました。
 デリーの選手団を暖かく迎え入れて下さった都立第四商業高等学校の皆さん、ありがとうございました!また、来年以降も引き続き、こうした文化交流が行われることを期待しています!