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アジア通信
第30号 2014年1月29日発行
アジア都市間ネットワークを強化し災害に備える
―東京都総合防災訓練にアジア3都市の消防隊が参加―

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四谷消防署での見学
一つ一つの説明に質問が尽きない

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消防博物館
子供から大人まで楽しめる興味深い展示がたくさん

 2013年11月20日から23日まで、東京都が実施する総合防災訓練にアジア各都市の救助隊を招き、合同で訓練を行いました。本事業は、ANMC21共同事業「危機管理ネットワーク」の取組の一つ。救助技術等のノウハウを共有し危機管理に係る人材を育成するだけでなく、実災害時の国際協力の基礎ともなるアジア都市間の人的ネットワークの構築を目指しています。今回は、ソウル、台北、オブザーバーとして新北から14名の救助隊員が参加しました。

 プログラム初日は、東京消防庁の事業を広く理解するため、四谷消防署や消防博物館など都内消防関連施設の見学、また、東京消防庁の取組についての講義を聴講しました。四谷消防署では、資器材や車両に加え、訓練所や休憩所など、東京消防庁職員が実際に勤務している環境を間近で見学することが出来ました。隊員たちは、東京都内の消防署の数や規模を自分の都市と比較しつつ、署の設備や装備品についての説明に頷いたり、時折驚いた様子を見せました。

 プログラム2日目、3日目は、消防庁第9消防方面本部消防救助機動部隊(9HR)との技術交流や意見交換、総合防災訓練本番に向けた事前訓練を行いました。9HRは、NBC(核、生物、化学)災害をはじめ、震災や大規模災害に対応できる部隊として、2013年3月に発足した新しい部隊です。講義や見学を通じて部隊の概要を理解した後、毒物事故に巻き込まれた被害者を救出する、という想定の訓練を見学しました。

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9HRでは、NBC災害の発生を想定した訓練を見学

 さて、メインイベントとなる東京都総合防災訓練では、会場に設置された倒壊家屋から人命を救助することが海外救助隊に与えられたミッションです。救助の方法や技術、さらに、言語も異なる隊員が集まり災害現場で協力しながら活動をする。これには、指示伝達の正確さや安全確保の徹底など、想像しなかったような基礎的な部分ですら、ハードルとなることがあります。まさに一挙一動を確認するように、9HRの部隊員と3都市の救助隊は協力して、綿密に事前訓練を重ねました。

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東京都総合防災訓練本番
事前訓練の成果を見事に発揮

 訓練当日。会場となったあきる野市秋留台公園では、地元住民や消防、警察などにより、倒壊家屋や土砂からの救出救助活動が進められていました。そんな中、海外救助隊はヘリコプターで会場に到着。9HR隊長の指揮の下、倒壊家屋の中に取り残された要救助者を慎重に担架に乗せ、クレーン車を使ってスムーズに外に運び出しました。

 4日間という短いプログラムですが、参加者からは、東京消防庁職員が熱心に活動している姿を実際に見て感銘を受けたという声や、参加都市間でのディスカッションが大変有益だったとの感想が寄せられました。様々な都市が集まり互いの共通点や相違点を理解しながら、共に協力して任務を遂行する達成感を得ることができたようです。ソウル、台北、新北、東京の4都市間に構築された人的ネットワークが今後も継続し、来るべき災害に対応できる、国を超えた連携強化の礎となることを期待します。

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9HRと海外救助隊 全員で記念撮影