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アジア通信
第37号 2015年3月26日発行
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新入生の半年
〜昨年10月に首都大学東京に入学した留学生へのインタビュー〜

アジア人材育成基金の留学生が首都大学東京での学生生活を初めて半年がたちました。4人の新入生に、東京での生活や首都大学で達成したいことについて、インタビューを行いました。

Q1. 東京での生活はいかがですか?
Q2. 首都大学東京での研究生活を通し、何を目指したいですか?

カンミン ゴさん
出身:シンガポール
研究テーマ:森林と街路樹の成長モデルの発展に関する研究

A1.

−私の住まいはキャンパスから徒歩5分の場所にあるため、雨でも晴れでも日々の活動のリズムをつかみやすいです。自宅に友人を招いて食事やパーティーをするのにも便利です。私は熱帯の国の出身なので、東京に来て初めて冬や雪を体験しました。来日してから初めの2ヶ月間は、皮膚の調子が悪くなってしまいましたが、病院に行ったり2週間シンガポールに帰国したりして、以前よりずっと良くなりました。ほぼ毎月1回、都心に出て、母国の様々のお祭りをほかのシンガポール人学生と一緒に祝うこともあります。
 シンガポールでは、科学分野を中心に学んでいたため、周りには人文系の学生があまりいませんでした。ですが少しずつ今の環境に慣れて、普段はあまり深く研究することのない分野について学ぶ良い機会だととらえられるようになりました。幅広い分野に触れることにより、異なる視点から自分の研究について見つめることができるのだと思います。

A2.

−プロジェクトの構想から論文の発表まで行い博士課程を修了するには、3年という時間はとても短いものです。ですから、私の研究テーマは、すでにシンガポールで行っていた研究を引き継ぐものになるでしょう。それと同時に首都大学東京在学中に、新たなプロジェクトも始めたいと思っています。また、首都大学東京に在籍する3年間で、大学の授業を通して日本語を上達させ、日本語能力試験N1レベルに合格したいと願っています。

ネドヨムクティ イマム シャフィイさん
出身:インドネシア
研究テーマ:都市環境における水の微気候研究

A1.

−東京は私の故郷と比べると大都市ですが、私の生活はとても順調に進んでいます。寒さは厳しいものの、美しい景色を楽しめるので、十分報われています。またご近所の方々は心温かく親切で、参加できる地域の活動もたくさんあります。

A2.

‐首都大学東京では、新たなことをたくさん学びたいですが、特に建築や環境に関する研究を行いたいと考えています。首都大学東京は、自分の研究をするのに非常に素晴らしく最適の場所だと思っています。できれば卒業後はこの分野での知識や見識をさらに深め、首都大学東京でお世話になっている教授や仲間、学生たちと共同研究できることを願っています。

ウィエン ダイ ホウン リンさん
出身:ベトナム ホーチミン
研究テーマ:CT、MRIを用いた画像診断学

A1.

−東京は、日本の首都であり世界で最もモダンで洗練された都市の一つです。その東京で生活し、学び、新しい環境に慣れていくことは、挑戦であるとともに、誰にとってもワクワクすることです。私も例外ではありません。なので、当然新しい生活ではいくつかの困難に直面しました。言葉やコミュニケーションの問題、電話の使用開始申請、クレジットカードの手続きなどなどです。ですが、教授陣や病院の方たち、友人やほかの日本人に親切なサポートをしてもらっているうちに、最初に感じた心配や寂しさはだんだん消えていきました。 目新しい習慣や美しい自然の風景、現代的で安全な交通網、そしておいしい食事は、私を快適にしてくれて、新しい一歩を踏み出す自信を与えてくれます。私は、ほかの美しくて快適な都市と同じように、東京においても、この3年間で多くの興味深いことを体験し、経験を得ることを望んでいますし、そうできると信じています。

A2.

−首都大学東京では、ほかの学生と同様私も多くの知識を得ることでしょう。でもそれだけではなく、画像診断専門の医師として、現代的な設備を持つ病院で実地で訓練し、高い技術を持つ経験豊富な医療スタッフから学びたいと思っています。また、私の専門分野における最新の進歩した技術など、画像診断分野の知識を深めたいです。科学的研究の方法を学ぶことも、私にとってとても大切です。理論と臨床の知識を定期的に最新のものにアップデートし、向上させ、それを説明して広める機会を持ち、同僚や友人と経験について意見交換すること、こういったことは国に帰った時私の大きな財産になるでしょう。私はその経験を病院での仕事、訓練、指導、そしてさらなる研究のために活用したいと思います。

イ ウンジー(李 恩智)さん
出身:韓国 京畿道
研究テーマ:持続可能なコミュニティづくりに関する研究 〜ローカルガバナンスの形成という観点から〜

A1.

−私が東京に来て5か月になります。私は新しい生活に適応しつつあり、新しい研究生活で忙しくしています。日本や日本人をどのように定義できるでしょうか?日本人を定義づけることはほぼ不可能です。ですが彼らはとても親切で優しいです。私は日本語をあまりよく話せませんが、日本人は文化と歴史を親切に教えようとしてくれ、その優しさに感動しています。そのような親切な方々のおかげで、新しい文化と歴史について知ることができることに感謝しています。日本人の良い友達ができ、私が新しい環境に慣れるのを手助けしてくれます。そして東京で素晴らしい時間を過ごしています!

A2.

−日本に来てから、首都大学東京が研究とネットワークづくりに最適な学校であるとわかりました。首都大学東京では様々な国籍の学生が一緒の学んでおり、人種のるつぼのようであるからです。バックグラウンド、文化、性格、国籍が異なる人々と同じ時間を過ごすことは、博士課程で研究をすることと同じくらい重要なことだと思います。
 もちろん、私は博士課程を修了し、研究分野で専門家になることを目指しています。首都大学東京を卒業した後は、国立の研究機関で職を得て研究を続けたいです。国の研究機関は、積極的に国内外の研究機関と共同研究を進めています。ですので、私は研究者として韓国と日本の間の架け橋になりたいと思います。