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アジア通信
第38号 2015年6月30日発行
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消防に国境なし
〜東京の消防職員がソウル・台北の消防イベントに参加しました〜

去る4月に、ソウルと台北で消防イベントが開催されました。今年、東京消防庁はその2都市から招待を受け、それぞれ隊員が参加してきました。国境を越えた消防技術交流の様子をお伝えします。

【ソウル市防災フェスティバル】

<防災フェスティバル会場にて>

 平成27年4月23日(木)、ソウル市で防災フェスティバルと消防演習が実施されました。
 東京消防庁からは、防火管理課長と第三消防方面本部消防救助機動部隊から3名がこの防災フェスティバルに派遣されました。
 課長はセミナーで「高層建築物の火災予防について」の講演を行いました。この防災フェスティバルには新北、ウランバートル、ミンスク、ソウルも参加しており、それらの都市からの東京消防庁の活動への関心も、非常に高いものでした。

 また、消防演習は、高層ビルからの火災を想定して実施されました。ソウルの消防隊員は本番さながらに活動し、当庁からの派遣者は韓国と日本との活動の検証を行いました。
 このフェスティバルには消防関係機関のみならず、ソウル市長、国会議員、各国大使館関係者等数多くの視察者がおり、また訓練に参加した地域住民は、とても積極的で、韓国社会の防災への関心の高さが伺えました。

<ソウル消防災難本部の方々と>
<住民を救出!(演習の様子)>

【台北市防災訓練】

 平成27年4月28日(火)、台湾の台北市で防災訓練が行われました。
 台北市政府消防局からの参加依頼を受け、第六消防方面本部消防救助機動部隊から5名の救助隊員がこの防災訓練に派遣されました。
 防災訓練では台湾の消防隊員とともに、巨大地震発生時を想定した救助活動を本番さながらに実施しました。東京からの参加は今回が初めてであり、報道関係者の関心も高く、訓練実施後は東京消防庁の救助隊が大勢の台湾の取材陣に囲まれる場面もありました。

<火災発生!(訓練の様子)>
<訓練後、報道陣に囲まれる東京消防庁の救助隊員>
<台湾と東京の消防隊員>

 ソウル、台北への派遣を通して、隊員たちは、市民の生命、財産を守るという消防の使命は、国は違っても共通であり、改めて消防の任務に国境はないと実感しました。
 ソウル市と台北市は東京都総合防災訓練にも例年参加しています。このような消防技術交流を重ねることで、万が一の大災害発生時にも、自国の内外を問わず連携した国際救援活動ができると確信しています。(東京消防庁総務部総務課国際業務係)