Global Leader:グローバルな変化を新たな成長の原動力とし、世界を牽引する都市へと進化「グリーン」と「デジタル」が国際競争に勝ち抜くための新基軸に○ESG投資の原則などを定めたPRI※の署名機関数は2020年に大きく伸び、サステナブル・リカバリーの潮流は経済・金融の世界にも強く押し寄せている。○日本のグリーンファイナンスの成長余力は大きく、脱炭素化に向けた歩みを強力に推し進め、巨大な経済波及効果を生み出す原動力となり得る。※PRI:国連が2006年に公表した「責任投資原則」の略であり、ESG課題に対応するための投資原則・行動を示したもの(機関数)01,0002,0003,0004,0002011201220132014201520162017201820192020PRI署名機関数の推移署名機関数署名アセットオーナー数(資料)Principles for Responsible Investment「AboutthePRI, PRI growth 2006-2020」を基に作成+28%約7,800億円約32兆円0204020142015201620172018201920202035グリーンボンドの発行総額国内企業世界全体(資料)Climate Bonds Initiative「Market Data Platform」(2021年6月1日時点)、日本証券業協会「日本国内で公募されたSDGs債の発行額・発行件数の推移」、OECD「Analysingpotential bond contributions in a low-carbon transition」を基に作成※1USD=110円で換算(兆円)約2.1~2.5倍となる推計推計○新型コロナ下でサプライチェーン途絶のリスクが顕在化し、企業において生産拠点や調達先の多元化の検討が進められている。○加えて、サプライチェーンにおいて考慮すべき事項は複雑化しており、脱炭素化や人権といった国際的な共通価値への貢献や、国家による経済安全保障上の規制への対応が求められる。42.5 14.0 13.8 13.6 13.2 8.6 5.5 販売戦略の見直し調達の見直し海外ビジネス人材の見直しデジタル化対応生産の見直し社内インフラ整備・改善組織再編(資料)日本貿易振興機構(ジェトロ)「2020年度日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査」を基に作成(%)日本企業の海外ビジネスの見直し内容複雑化する国際情勢を踏まえたサプライチェーンの再構築が進む○コロナ禍においても、世界では、5Gインフラの整備や最先端テクノロジーの社会実装に向けた取組が急速に進んでいる。•2021年3月末時点で、中国の5G基地局は約82万か所に整備され、世界の7割以上を占めるとされている•深圳市では、市内全域の5Gネットワーク整備が完了しており、遠隔診療を始めとする様々な分野で5Gを活用した先端技術の実装が進展•2021年6月、スロバキアのスタートアップ、「クライン・ビジョン」社が、世界初の空陸両用車※の都市間有人飛行に成功•最高飛行速度は時速190kmに達し、75km離れた都市間を約35分間で移動中国スロバキア※空の飛行と陸の走行が可能な自動車激動する国際情勢•強力な社会統制的手法により早期に経済を回復。科学技術・サプライチェーンの自立の動きを強めるほか、プラットフォーマー規制の強化などデジタル規制を加速•途上国等に対する医療物資やワクチンの供与を積極的に外交に活用中国アメリカヨーロッパ連合•デジタル・グリーン・ヘルスケア分野を中心に経済復興を推進するとともに、半導体、電池、医薬品原料、水素等の分野で、中国依存の低減を図る施策を展開•ヨーロッパ連合を離脱した英国が、TPP11協定への加入を要請。6月に開かれたTPP委員会で、英国の加入手続開始等を決定(香港情勢)•香港「国家安全維持法」が制定され、民主活動家やメディア関係者の逮捕が続いたほか、民主的要素を損なう形で選挙制度が変更された(ウイグル情勢)•強制労働問題を巡り、フランス検察当局がアパレル企業等を捜査•太陽光パネルの主要原材料のシリコンが人権問題で供給に影響し価格の押し上げ要因に(ミャンマー情勢)•軍事クーデターにより民主化プロセスが損なわれる事態に顕在化する人権問題•国際金融都市の地位を巡る競争は激化し、従来の上位都市の相対的な優位性が低下熾烈さを増す都市間競争(資料)Z/Yenグループ「The Global Financial CentresIndex」を基に作成810•バイデン政権となり、WHO脱退の撤回やパリ協定への復帰など、国際協調へ回帰する中、対中では厳しい路線を継続し、有志国との連携を強調•2021年6月に、「半導体」、「蓄電池」、「重要鉱物」、「医薬品」などのサプライチェーンを見直し、安定した調達を目指す方針を明記した報告書を公表R2•昨今、新興国の台頭や巨大プラットフォーマーの出現などにより、世界のパワーバランスは変容し、グローバルな課題の解決に向けた国際協調の枠組みやルール・メイキングが発展するなど、国際情勢は大きく変化している。また、デジタル・グリーンを軸とした新たな潮流も生まれている。•コロナ禍から経済の持ち直しが期待される中、激化する国際競争に勝ち抜き、世界をリードする都市を実現していくためには、世界の潮流を基軸として、ビジネスの進化等を先取りした新たな歩みを進める必要がある。450H19222528H31,R1国際金融センター指数の推移ニューヨークロンドン香港シンガポール上海東京北京深圳11
元のページ ../index.html#12