アジア大都市ネットワーク21では、東京において「第7回アジア危機管理会議」を開催しました。「大規模災害発生時における大都市の危機管理」をテーマに計7都市及び13在京大使館等から約70名の専門家が参加しました。 |
「第7回アジア危機管理会議」スケジュール | |
■日程:平成21年8月30日(日)~9月1日(火) | |
■場所:東京都庁第一本庁舎 5階大会議場 | |
■参加都市(出席者数):7都市(44名)及び13カ国の在京大使館等(25名) (主催都市) 東京 (27名) (参加都市) バンコク、ジャカルタ、クアラルンプール、ソウル、シンガポール、台北 (17名) *東京(幹事都市/知事本局、総務局、警視庁、東京消防庁) |
![]() 本会議の様子 |
■テーマ: 「大規模災害発生時における大都市の危機管理」 |
■概要 |
第1日目(8月30日(日)) 東京都総合防災訓練視察 |
今年度の総合防災訓練は「災害発生時における「連携」の強化と「地域防災力」の向上」をテーマに行われました。会議参加者は世田谷と調布の2つの会場を視察し、世田谷会場では地域住民参加型の訓練を見学し、調布会場では警察・消防・自衛隊とアジア大都市ネットワーク21会員都市の救助隊(シンガポール、台北)の連携による被災者の救出救助を視察しました。 |
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第2日目(8月31日(月)) 危機管理関連施設の視察 |
【1 神田川・環状七号線地下調節池】 水害が多発する神田川中流域の水害軽減のため、幹線道路(環状七号線)の下に延長4.5kmにわたり建設された洪水貯留施設。地下40mに建設されたトンネル状の調節池を視察するとともに、管理棟において流入や排水設備等の運転操作や監視制御について説明を受けました。 |
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【2 有明の丘基幹的広域防災拠点施設】 国が設置した最新の基幹的防災拠点。2008年6月に竣工しました。首都直下地震の発生により、広域あるいは甚大な被害が発生した時に、国と周辺自治体の合同対策本部が設置されます。施設の概要について説明を受けた後、オペレーションルームや地下免震装置を視察しました。 |
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【3 東京都防災センター】 東京都庁内に設置された防災センターを視察しました。災害時、東京都を中核とする防災機関の情報連絡、情報分析等を行う中枢施設で、防災行政無線を活用したデータ通信機能及び画像通信機能を持つ防災情報システムを整備しています。 |
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第3日目(9月1日(火)) 実務担当者会議 |
午前の部 【開会式】 (1) 開会挨拶 東京都参与 志方 俊之 (2) 基調講演 東京都危機管理監 島田 幸太郎 【各都市からのプレゼンテーション セッション1 洪水対策】 (1) 東京(河川部) 「都市河川の洪水や高潮に対する取組や災害時における防災情報の伝達について」 (2) 東京消防庁 「東京消防庁における水災時の警防態勢」 (3) クアラルンプール 「マレーシアにおける洪水管理— 課題と今後の方向性」 (4) 台北 「台北市による台風「ナリ」以降の洪水調節・防止対策」 午後の部 |
![]() ![]() ![]() 会議の様子 |
■成果 |
(1) アジアの大都市は、地球規模で展開する気候変動を起因とする大規模な洪水被害や、新型インフルエンザの蔓延といった新たな危機、都市化の進展による大規模事故やテロなどの危機に晒されており、とりわけ多くの人命を抱える大都市においては、来るべき大規模災害に備え、「シンキング・ジ・アンシンカブル(Thinking the Unthinkable:考えられないことを考える)」の視点から、危機管理体制の強化に努める必要があるとの認識を共有しました。 (2) 各都市における洪水対策の取組や、大規模災害発生時の避難体制・情報伝達体制について、活発な意見交換を行いました。 (3) 世界的な流行を見せている新型インフルエンザの脅威に対しては、ウイルスの強毒化に備え、危機管理の観点からの対策が必要であるとの認識を共有しました。 (4) 危機管理ネットワークは、発足7年目を迎え、毎年開催するアジア危機管理会議をはじめ、危機管理連絡網による情報交換や人材育成事業などを通し、各都市の危機管理能力の向上に着実な成果を上げています。今後とも、参加都市が相互に協力し、各都市の危機管理体制の強化に向けて努力していくことを確認しました。 (5) 2010年の第8回アジア危機管理会議を台北で開催することに合意しました。 |
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