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アジア通信
第12号 2011年1月31日発行
アジア大都市ネットワーク21共同事業の紹介
 アジア大都市ネットワーク21では、大都市に共通する課題を解決するため、アジアの首都及び大都市が協力して共同事業を進めています。今回は共同事業「中小型ジェット旅客機の開発促進」と「危機管理ネットワーク」について紹介します。

(1)「第9回中小型ジェット旅客機の開発促進」共同事業別会議を開催しました
 「中小型ジェット旅客機の開発促進」は、アジアの技術と能力を活かした中小型ジェット旅客機開発の促進を目指すもので、デリー、ハノイ、ジャカルタ、クアラルンプール、台北、東京の6都市が参加しています。

 毎年、アジアの航空機メーカー、エアライン、商社等が集まり、国際会議を開催しています。平成22年度は、11月29日、30日の2日間の日程で、東京で開催しました。

 一日目は、去年10月に新国際線ターミナルが開業し国際線の定期便が就航したばかりの羽田空港で実務担当者会議を開催しました。会議の冒頭で、東北大学大学院教授中橋和博氏からアジア旅客機実現に向けての基調講演が行われ、日本国内の重工メーカー、商社、エアライン等で構成される検討委員会が取りまとめた「アジア旅客機ビジョン」が発表されました。「アジア旅客機ビジョン」では、平成32(2020)年をめどにアジアの都市間を結ぶ100から150席クラスの中小型ジェット旅客機をアジア各国の技術で共同開発、生産できる体制を構築することを目標に掲げています。
中橋和博氏の基調講演
プレゼンテーションの様子
「アジア旅客機ビジョン」の詳細につきましては、下記webサイトをご覧ください

また、石原知事による講話も行われ、その中で知事は次のように述べました。

 「日本の持っている航空技術というものをもっと発展させて、アジアの国とも協力して、非常に優秀な飛行機、特に旅客機をつくりたいと思っている。」
 「私たちが力を合わせれば、大型の飛行機じゃなくて、観光バス2台が着いたらそのお客が全部乗れるような150人くらいまでの今日世界で最も需要の高い効率の良い旅客機というものをつくれると思う。」
 「何とかこの夢を実現させて、アジアの存在感をはっきり世界に示して、それが引き金になって、世界の歴史の新しい頁をアジアが開くという、そのきっかけになっていただきたい。それを熱願しております。」
知事講話

パネルディスカッションの様子
 引き続いて行われたパネルディスカッションでは、インド、台湾及びインドネシアから来日した専門家を交え、「アジア旅客機ビジョン」で掲げた目標の達成に向けた活発な意見交換が行われました。

 羽田空港の新国際線ターミナル、新管制塔などの視察をはさんで行われた午後の会議では、「首都圏とアジアを結ぶ空路の機能強化」をテーマにアジア各国のエアラインなどからプレゼンテーションが行われました。

ナブテスコ岐阜工場視察の様子
 二日目は、岐阜県にあるナブテスコ(株)岐阜工場を視察しました。ナブテスコは、航空機の飛行姿勢を制御するフライト・コントロール・アクチュエーターでは世界でも有数のメーカーです。

 視察には、アジアの専門家の方々も参加し、最新旅客機部品の製造工程などを見学し熱の入った質疑応答が行われました。