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アジア通信
第21号 2012年7月31日発行
アジア地域が抱える大災害の経験・教訓を共有
〜バンコクでアジア危機管理会議が開催されました〜

 アジア大都市ネットワーク21共同事業の一つ「危機管理ネットワーク」では、毎年危機管理に関する実務担当者が集まる「アジア危機管理会議」を各都市持ち回りで開催しています。
 今回は、6月にバンコクで開催された会議の模様をレポートします。

 

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バンコク都庁舎での最終調整
真剣に議論を交わすバンコクと東京のスタッフ

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会議前、東京都参加者と話をするマリニー・スカヴェジョラキット バンコク都副知事(写真右)

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2013年の会議はマニラで開催することが承認された(開催が決定し、スピーチをするマニラのトレンティーノ長官)

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熱心に視察をする会議参加者

 2012年6月13日から14日にかけて、アジア危機管理会議がバンコクで開催されました。バンコクはもちろん、デリー、クアラルンプール、マニラ、ソウル、シンガポール、台北、そして東京の危機管理担当者約90名が出席し、活発な議論を行いました。

 6月12日、会議前日、ANMC21事務局はバンコク都(BMA)を訪問し、会議に向けた最終調整を行いました。バンコクで今回の会議を担当した消防救助局と外務部のスタッフとは、2011年ソウルで開催された危機管理会議以来の約9か月ぶりの再会となりました。会議が翌日に迫った最終調整ともあり、会議の骨格に関わることから、些細な調整事項まで相互に綿密に確認。翌日の会議開催に向け、緊張感は次第に増していきました。

 東京都からは、志方俊之東京都参与を筆頭に、総合防災部、警視庁、東京消防庁、そしてANMC21事務局、総勢9名で会議に出席しました。会議当日、会場に一足早く到着し打合せをすませた東京都チームは、会場で他都市の参加者の到着を待ちました。次第に集まり始める他都市の参加者の中には、これまで何度も出席している「常連」の顔もちらほら。自己紹介のために名刺を交換し合う姿はもちろん、1年に1度の再会を喜ぶ姿も目立ちました。

 バンコクからは、記憶に新しい2011年のタイの大洪水について、発生の経緯や対応、さらには今後の対応についての報告がありました。

 洪水への危機管理については、バンコクのほか、クアラルンプールや台北からも報告があり、アジア各都市の多くが直面している共通の課題として、質疑応答では多くの質問が行き交いました。その他、シンガポールとソウルは化学コンビナートや文化財の火災について、さらに、2003年の第1回危機管理会議開催以来9年ぶりの参加となったデリーからは、デリーの災害の特徴や、新しく設置された災害管理組織について報告がありました。
 東京は、東日本大震災から得られた教訓、当時の被害状況、さらに被災地での現地調査に基づき策定された各機関の新しい震災への対応策について、総合防災部、警視庁、東京消防庁の3機関がそれぞれ発表を行いました。
 参加者は各都市の発表に真剣に聞き入り、発表後には熱心なディスカッションが繰り広げられました。

 会議2日目は、プラカノーン・ポンプ場を視察しました。このポンプ場はバンコク都内の最も低い地域に位置しており、バンコク都の150あるポンプ場の中で最大規模のものです。炎天下での視察となりましたが、タイのメディアも駆けつけ、参加者は熱心に施設の説明に聞き入りました。

 2日間の充実したプログラムを経て、今回10回目の開催となったアジア危機管理会議は終了しました。アジア都市の危機管理担当者が1年に1度集うこの貴重な機会を通じ、危機管理能力向上が共通の目標意識として根付き、相互に協力し合う関係が着実に育まれていることを実感しました。危機管理ネットワークの活動は、今現在も進行しています。