2012年7月にシンガポールで開催された国際水週間。東京都スタッフとして参加した中村勇太さんから、会議の様子をレポートしていただきます。
REPORT:東京都水道局総務部調査課 中村 勇太さん
東京都水道局は、2012年7月1日(日)から7月5日(木)まで、サンズ・エキスポ&コンベンション・センター(マリーナ・ベイ・サンズ)において開催された、シンガポール国際水週間に参加しました。
今回で5回目となるシンガポール国際水週間は、104カ国・地域、18,554人の水道事業体が一堂に会する大規模な会議です。各国の要人も参加されるなど、多岐にわたる先進的な技術のPRや、時機を捉えた意見交換が展開されました。
波状ステンレス管
東京都が参加した水エキスポ「ジャパン・パビリオン」では、波状ステンレス管や電子式漏水発見器(※1)等を展示しました。これらは、IWAプロジェクト・イノベーション・アワード(PIA)にて地域大賞を受賞した東京の漏水防止に係る技術の一つです。今回、当局と関係の深いアジアの水道事業体の方々にもブースに訪問いただき、有意義な議論を交わすことができました。
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ジャパン・パビリオンのブースの様子
さて、シンガポール国際水週間には、事業体から民間企業まで世界中の様々な水道関係者が参加しており、主に英語を通じて東京都の水道事業を説明しなければなりません。私は去年も同じ会議に参加しましたが、その際に英語で上手くコミュニケーションをとることができず、苦い経験をしていました。また、単に英語が話せれば良いという訳でなく、幅広い専門用語・知識が必要だということも、身に染みて実感していました。東京を代表する職員の一人として、私は準備をする段階から、出来るだけ丁寧に周辺知識を習得し事業全体を理解するよう努めました。同時に、それらの知識を英語にも変換するなど頭の体操を繰り返し、今回の出張に臨んだのです。
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「東京水」
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たくさんの人に、東京水道をPR
シンガポール国際水週間当日。私は「ジャパン・パビリオン」の東京ブースで、来場者の対応にあたりました。
ペットボトル「東京水(※2)」を配布する際、まず、水道水を詰めたものであると説明しました。多くの国では水道水から直接水を飲むことは稀であり、「大丈夫か」「信じられない」という反応が多数。こういう場合には、直接「東京水」を飲んでもらい、その美味しさを実感してもらいました。また、人によって興味の対象は様々です。浄水処理の方法等技術的な説明を求める人や、お客さまサービスを問う人も。人によって異なる興味の対象について、何が知りたいのかポイントを捉えて回答するようにしました。さらに、一方的に説明していては会話がすぐに終わってしまいます。加えてこちらからも質問をすると話は色々と発展し、お互いの興味を刺激し合いながら意見交換をする場になりました。
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森元首相も来場
一方で、数多くのブース出展がある中で、いかに当局のブースを目立たせ、海外の方の目を引くかという点も、今回意識したポイントの一つです。行燈(※3)を用いたユニークな装飾や、実際の漏水調査を体験していただくコーナーを設けるなど、見る方の興味が湧くような工夫をしました。多くの来場者に関心をもっていただき、中には事業説明を受けた後、当局の施設を見学したいなどの要望を出される方もありました。
東京都は、世界に誇る水道技術や運営のノウハウを活用しながら、国際貢献を続けていきます。私は今回のシンガポールでの貴重な経験を活かし、国際貢献に取り組む職員の一人として、今後も努力していきたいと思いを新たにしました。
※1 波状ステンレス管や電子式漏水発見器についての詳細はこちら
※2 東京水:東京都水道局が採用している高度浄水技術をPRするため、ボトリングした水道水を「東京水」と名付けて配布しています。
※3 行燈:「Oriental Lump」。竹の枠に和紙を張り、そこに美しい模様が描かれることもあります。日本の伝統を伝える照明器具の一つです。
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