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アジア通信
第34号 2014年9月24日発行
東京の事例をもとに、アジア大都市の課題を考える4日間
〜「交通研修」と「地震研修」との、2本の研修を東京で開催〜

 ANMC21では、会員都市の行政職員や専門家を対象に、専門分野ごとに様々な研修プログラムを設けています。今回は、2014年8月5日〜8月8日にかけて行われた「公共交通機関総合計画の策定支援研修」(以下、交通研修)及び「地震に強いまちづくりに関する研修及び共同研究」(以下、地震研修)を紹介します。

 交通研修・地震研修は東京都都市整備局で所管しており、交通研修は都市基盤部交通企画課が研修内容を企画実施し、地震研修は市街地整備部企画課及び市街地建築部建築企画課が研修内容を企画実施しています。両研修の導入部と取りまとめについては都市づくり政策部広域調整課が担当しています。

 今年は、交通研修はバンコクから1名、地震研修はバンコクから1名、ソウルから2名の計3名の参加者を迎えて研修を行いました。(以下、研修生)

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    開講式
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    講義風景

【研修1日目】
 東京都庁第二本庁舎1階で研修生をお迎えしました。皆が揃ったところで、都市整備局局議室に行き、開講式を行いました。局長から歓迎の挨拶をいただき、熱い4日間の研修が始まりました。
 開講式終了後、会議室に移動して、研修のガイダンスを行いました。その際に、水道局から提供していただいた「東京水」を配付したところ、とても好評で、「おいしい」と日本語で言ってくれた研修生もいました。
 最初に、交通、地震研修の研修生全員を対象に、東京のまちづくりについて講義を行いました。
 その後、交通研修と地震研修に分かれ、研修を行いました。交通研修は、東京の公共交通の基本的考え方や翌日から行われる現場視察についての説明を行い、地震研修は日本の耐震規定の変遷や特定緊急輸送道路沿道建築物条例についての講義を行いました。
 講義終了後、都庁第一本庁舎32階食堂にて、研修生を歓迎するウェルカムパーティーを行いました。にぎやかに談笑し、都市間の交流を深めました。

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ウェルカムパーティー

【研修2日目〜3日目】
交通研修:
 交通研修2日目は、都バス事業や東京のTDM(交通需要マネジメント)について講義を行いました。講義が終わり、新宿駅から東京駅に行き、新横浜駅までの往路復路の新幹線試乗体験をしました。車内では座席を回転させ対面式にして談笑するなど、交通システムの確認だけでなく、新幹線の雰囲気も満喫してもらいました。
 次の視察先は、駅との接続通路と開発施設を一体的に整備した開発案件で、歌舞伎座、JPタワー、丸ノ内パークビルディングを視察しました。現地では、駅との通路の接続状況の確認や、歌舞伎座では、松竹の方より歌舞伎座再開発について説明をしていただき、オフィスや舞台下を視察し、交通研修2日目は終了しました。なお、交通研修では、視察時の移動や飲料水を購入する際には、研修生もICカード乗車券システムを使用し、利便性向上に資するシステムを体験してもらっています。

 交通研修3日目は、研修生のバンコクの発表から始まりました。バンコクの交通概要の他、バンコクの多様な交通計画、自転車レーンの整備状況やシェアサイクル取組事例等について発表がありました。発表後の質疑応答では予定時間を超過するくらい盛り上がり、大変有意義な意見交換の場となりました。バンコクの発表が終わり、都営地下鉄大江戸線を使い、警視庁交通管制センターの視察に行きました。交通管制センターでは、交通システムについてビデオを観たあと、警視庁担当者から高度道路交通システム(ITS)についての説明がありました。

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    新幹線試乗
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    ゆりかもめ視察

 その後、ゆりかもめ本社へ行き、新交通「ゆりかもめ」の概要を説明してもらいました。「ゆりかもめ」はコンピュータ制御による自動運転がされており、24時間体制で管理されています。また、新交通システムを採用することにより、急勾配の運転を可能にし、初期投資費用の削減にも成功しています。

地震研修:
 地震研修2日目は、防災まちづくり推進計画についての講義や現地視察についての説明を行いました。講義終了後、貸切バスで「池袋防災館」へ向かいました。池袋防災館では一般見学者と共に施設を視察し、東日本大震災の揺れを地震コーナーにて体験しましたが、これが地震初体験となった研修生にとっては、貴重な経験となったようです。その後、耐震改修された「新宿センタービル」に行き、耐震改修工事を施工した事業者より耐震改修について説明を受け、設備の見学を行い、地震研修2日目は終了しました。

 地震研修3日目は、木造住宅密集地域の解消に向けた取組や震災復興計画についての説明を行い、講義終了後、東京都庁の防災センターを視察しました。この防災センターは災害が起こった際には対策本部となる場所で、都庁屋上やレインボーブリッジなどに設置しているライブカメラの映像を大型スクリーンで映すことが出来ます。視察終了後、研修会場に戻り、研修生から発表がありました。バンコクからは水害について、ソウルからは災害に対する安全管理について発表がありましたが、各都市が抱える固有の課題に対し、研修生の日々取り組む状況が熱心に語られました。いずれの発表に対しても活発な質疑応答があり、各都市にとって、有意義な情報交換の場となりました。

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    新宿センタービル視察
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    講義風景

【研修4日目】
 交通研修はアジア諸国の公共交通について、地震研修はアジア諸都市の防災政策についての説明と意見交換を行いました。
 そして、閉講式を行い、4日間の研修を終えました。閉講式では、都市整備局長から研修をねぎらう挨拶がありました。また、研修生からは、「東京都の担当者は皆親切で、講義も大変有意義であった」との温かいコメントをいただきました。

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    閉講式
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    閉講式後集合写真

 毎年行っている、交通研修及び地震研修ですが、研修参加者のアンケート及び申し込み時の要望等を受け、有意義な研修となるよう心がけプログラムを構成しています。ぜひ、皆さんの研修参加をお待ちしています。

 最後になりますが、研修参加者の皆さま、お疲れ様でした。そして、講義の講師及び視察先で協力していただいた方々、本当にありがとうございました。