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アジア通信
第21号 2012年7月31日発行
アジア都市のごみ問題解決に貢献するために(後編)
〜東京都の廃棄物管理の手法をアジア各都市と共有しました〜

 アジア大都市ネットワーク21(ANMC21)では、会員都市の行政職員や専門家を対象に、専門分野ごとに様々な研修プログラムを設けています。
 前回のクアラルンプールでの研修レポートに引き続き、その後東京都で開催した「資源リサイクルの促進研修」、さらに、バンコクでの廃棄物分野ワークショップの模様をレポートします。

REPORT:〔公財〕東京都環境公社 国際協力事業担当係長 岩崎 貴信

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東京で実施した「資源リサイクルの促進」研修

 ANMC21共同事業「資源リサイクルの促進」研修は、各都市廃棄物行政担当者の能力向上を目的として、東京のごみ処理やリサイクルに関する経験・制度・仕組みを紹介しています。今回は2012年1月から2月にかけて、バンコク、デリー、パダン(インドネシア)の研修生3名のほか、都、区や川崎市の職員などの参加を得て開催しました。都内におけるごみの収集・運搬〜リサイクルや焼却〜最終処分場など、ごみの流れをミッチリと見ていただくとともに、「ふろしき」など、モノを大切にする日本文化の紹介も行いました。

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ふろしきワークショップ

 研修生を受け入れる東京都にとって、本研修はアジア各都市のごみ処理の現状を理解し交流を深める絶好の機会です。より多くの職員が参加・意見交換できるように、研修を都職員に開放したり、研修生と一緒に食事をする機会を多く設けました。1週間の研修・交流を通じて「家族のようなおつきあい」をすることができました。

 東京での「資源リサイクルの促進」研修後まもなく、東京から5人のメンバーがバンコクを訪問し、バンコク都の90名もの職員とともに、廃棄物分野におけるワークショップを行いました。ワークショップでは、東京とバンコクそれぞれの都市でのリサイクルの取組が紹介されました。

【ワークショップの主な内容】

1 東京のごみ分別を実際に体験!

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ごみ分別を実際に体験

 東京のごみ分別を実際に体験してもらうため、「バンコクで出たごみを東京のルールで分別したらどうなるか」という、ごみ分別ゲームを行いました。その後、分別したごみがどのような流れで処理されるのか、分別の徹底のために住民にどのように分別ルールをお知らせしているのかを、具体例を示しながらお伝えしました。

2 バンコクから「水害廃棄物処理」の紹介

 甚大な洪水被害に遭遇したバンコク。水害のために発生したごみを速やかに処理するため、「冠水した道路も走れるようにごみ収集車両を改造」、「ごみ収集にボートを活用」、「被災地区のごみ処理を未被災地区が支援する体制づくり」など、様々な取組を紹介していただきました。

 今回のワークショップは、バンコク・東京の双方に大変有意義な内容でした。これからもこのような交流を続けることにより、お互いをより深く理解するとともに、両都市の廃棄物行政の向上につなげていきたいと思います。