大規模な都市雨水回収シンガポール
■ 概要
島国であるシンガポールはその急速な都市化にも関わらず、過去数年間で安定した集水域の増加を実現してきた。3つの新しい貯水池(マリーナ、ポンゴル、セラングーン)の完成を受け、シンガポールの土地の3分の2が集水域となっている。

マリーナバレッジ / 貯水池
■ 実施時期
■ 施策の特徴
- 天然の帯水層や湖を持たず、雨水を集めるのに十分な土地を有しないこの小さな島国シンガポールでは、あらゆる方法で水の回収能力を最大化する必要がある。
公益事業庁(PUB)は、水路、運河、17の貯水池を通して雨水の回収を行っている。マリーナ、ポンゴル、セラングーンと名付けられた3つの新しい貯水池の完成を受け、シンガポールの土地の3分の2が集水域となった。これほどの規模で都市雨水の回収を実施する都市は世界でも他に例を見ない。
〔都市雨水回収〕
PUBは、雨水と汚水を回収する二種類のシステムを整備している。雨水は水路、運河、河、雨水回収池、貯水池等の包括的ネットワークを通して回収され、飲料水として供給される前に処理が施される。これによりシンガポールは、飲料水供給に都市雨水を大規模なスケールで回収する世界でも数少ない都市の一つとなっている。
〔貯水池間の輸送〕
原水の回収及び貯水を最大化する目的で、貯水池の水位が最適レベルに維持されることを徹底するため、PUBは貯水池間で水の輸送を行うユニークな貯水池統合制度を導入している。
〔原水水質管理〕
高度に都市化した環境にて原水を最大限に回収しつつ、PUBはコスト効率の高い水処理及び貯水池でのアクティビティに適した基準の原水水質を維持するため、包括的な水質管理及び汚染管理システムを配備している。
■ 実績・効果
-
湖や帯水層がなく、水回収のための土地面積が限定されている環境下にて、PUBはシンガポールの土地の3分の2を集水域に転換し、水処理とレクリエーション活動に適した良好な原水水質の維持を実現してきた。小さな島国(700k㎡)の急速な都市化にも関わらず、こうした成果が達成されている。
■ 経費
■ 本件問合先
- シンガポール公益事業庁
経営企画部
Corporate Development Department, PUB, Singapore
(電話) +65 62358888 または +65 67313715
(メールアドレス)pubone@singnet.com.sg または sio_wei_hurng@pub.gov.sg
■ 関連リンク