大規模な水再生 ― 最新の処理方式で100% の下水道整備シンガポール
■ 概要
シンガポールで初の下水道事業は1910年に開始した。当時の下水道システムには、シンガポール中心地を網羅する下水道ネットワーク、3つのポンプ施設、散水ろ床プラントのみで構成されていた。
しかし、急速な住宅及び産業化計画の需要を満たすため、集中的な下水道整備事業が1960年代に開始された。
現在の下水道は「分流式」を基に設計されている。つまり、汚水と雨水を別の水路で集め、汚水は下水道を通じて処理施設へ、雨水や表面流出水は排水溝を通じて河川や貯水池に排出される。
現在、シンガポールの下水道普及率は100%である。
■ 実施時期
■ 施策の特徴
- 下水は、3300Kmの下水道管と180kmの加圧主管を備える96のポンプ所を経由して回収される。現在、シンガポールの下水道普及率は100%。全人口が下水道の恩恵を受ける世界でも有数の国の一つとなっており、統合的な水循環管理を実践している。世界でも類を見ないスケールの下水再利用がPUBの主導で実現しているのだ。PUBは下水の最後の一滴まで回収し、汚水は海に排出する前に下水処理を施すか、シンガポールの独自ブランドである再生水「ニューウォーター(NEWater)」の製造に再利用している。
- PUBは、シンガポールの下水処理のニーズを満たすため、大深度トンネル下水道システム(DTSS)を開発。36億5000シンガポールドルを投じたこのDTSSは、シンガポールの長期的な下水の収集、処理、再生、廃棄のニーズを満たす上で効率的且つコスト効率の高いソリューションとなる。シンガポールの長期的な下水への需要を満たすため、コスト効率が高く持続可能な解決策として評価されている。
この大規模なDTSS(フェーズ1 及びフェーズ 2)プロジェクトは、島を縦横に走る二つの大深度トンネル、二つの中央水再生施設、深海放流パイプ、接続管ネットワークで構成されている。
DTSSフェーズ1は2008年に完了しており、シンガポール全長の半分を網羅する48kmの深長下水トンネル、チャンギで集約化した水再生施設、二本の5kmに渡る深長放流パイプ、60kmの接続管が配備された。
■ 実績・効果
- 2009年4月28日に開催されたスイス チューリヒの「グローバル・ウォーター・アワード2009」にて、DTSSは「ウォータープロジェクト・オブ・ザ・イヤー」を受賞。さらに、水技術と環境保護において最も重大な貢献を果たしたウォーター・プロジェクトに選ばれている。
■ 経費
■ 本件問合先
- シンガポール公益事業庁
経営企画部
Corporate Development Department, PUB, Singapore
(電話) +65 62358888 または +65 67313715
(メールアドレス)pubone@singnet.com.sg または sio_wei_hurng@pub.gov.sg
■ 関連リンク