プンゴル・エコタウン - 熱帯の持続可能なウォーターフロントタウンシンガポール
■ 概要
- シンガポールの国をあげての目標は、効率的でクリーンな環境に優しい成長である。国民の80%以上に住宅を提供する公的住宅供給機関として、住宅開発局(HDB)は、持続可能な開発に向けたシンガポールの取組において重要な役割を果たしている。HDBは既に長年にわたり、同局が手掛ける市街地・不動産開発において持続可能な開発を実現する取組を推進してきた。「街」レベルでは、HDBが開発した「街」には、住民のニーズに応じて仕事・生活・学習・娯楽環境全てを提供する主要施設が存在するように、包括的な計画が策定されている。HDBの建築物は、効率的なエネルギーや水の利用及び廃棄物管理を実現するためのパッシブ・デザインを採用し、熱帯シンガポールの気候条件を考慮した設計になっている。
- HDBは持続可能な開発の推進に大きな成果を挙げてきたが、環境目標の拡大化により、新たなアイデアや技術革新を通じ、さらなる努力を行う必要がある。 現在開発中のHDBが手掛ける最も新しい市街地であるプンゴルタウンは、持続可能な都市計画・設計、グリーンテクノロジー導入、積極的な地域社会との連携実施を示す好例である。そのためHDBはプンゴルタウンを、環境・社会・経済的な持続可能性を網羅したシンガポール初のエコタウンにすべく開発を進めている。 プンゴル・エコタウンの目標は、プンゴル地区の住宅の生活環境を向上させ、住民が環境保全に一定の役割を果たせるようになっている、「熱帯の持続可能なウォーターフロントタウン」を築くことである。
■ 実施時期
- 第1フェーズ: 2011~ 2015年
第2フェーズ: 2015年以降
■ 施策の特徴
- シンガポール初のエコタウン- 熱帯の持続可能なウォーターフロントタウン

- プンゴルは、持続可能な開発に向けた新たなアイデアや技術を試す「生きた実験室」の役割を果たし、都市環境への様々なソリューションを統合して環境に優しい生活環境を実現する。プンゴルの主な環境取組のひとつは、街を横切る水路の設置である。この水路を活用してプンゴルは、今後十年間およびそれ以降に到来するエコな暮らしという新世代の発想を先んじて伝えていく。シンガポール初のエコタウンという計画の実現に向け、プンゴル開発を導く次の主要戦略を導入した。
- a) 効率的な計画・設計コンセプトを導入して住民に伝え、エコな暮らしを採用できるようにする
プンゴルの「環境に優しい水辺の暮らし」というコンセプトを推進するため、プンゴルの今後の計画設計で、日光・雨・風といった自然の要素を取り入れた環境にやさしい建物を建築する。
- b) より高い環境目標を達成する ための都市課題解決策
HDBは、様々な政府機関やパートナーと協力して、エネルギー・廃棄物・水管理の分野で、新たなグリーンテクノロジーや都市課題解決方法の大規模な検証作業を実行していく。最終的には、これらのソリューションの実施費用を引き下げ、全島(シンガポール全体)の他の街に普及させていきたい。
- c) 環境保全に向けた取組に住民を巻き込み教育し、参加を促す
環境の持続可能性を促す上で、住民は重要な役割を果たす。HDBは主な利害関係者と緊密に協力し、環境保全の取組に住民を巻き込み、教育し、参加を促していく。これにより、住民に熱帯エコタウンというプンゴルのビジョン実現に対する責任感を、持ってもらえるようになる。
■ 実績・効果
- 持続可能性の3つの側面それぞれについて、達成が望まれる成果を以下に詳しく記す。
- a) 環境面の戦略では、二酸化炭素排出量削減、環境に優しい交通手段の推奨、緑化・生物多様性の促進、効果的な水・廃棄物管理の実現、クリーンで健康的かつ快適な生活環境の提供を重視する。
- b) 幅広い住民の変化する多様な社会的ニーズに対応しつつ、社会的な持続可能性を確保するため、社会的戦略では、社会的活動を推進し、より大きな一体感を育むことを目指す。これには、プンゴルタウン広場への新たな形の公共スペース導入、プンゴル水路や沿岸遊歩道沿いのレクリエーションスペース設置、プンゴル「遺産発見プラン」策定などが挙げられる。
- c) 経済的持続可能性のための戦略では、経済的・社会的な活力増進に重点を置く。プンゴル・エコタウンは、都市計画策定、持続可能な設計、環境に優しい建築などのソリューションを試す「生きた実験室」と位置付けられている。プンゴルは、質の高い生活環境を提供しつつ、様々な可能性の構築や新たなソリューション開発を行う、優れたプラットフォームとなっている。
■ 経費
■ 本件問合先
- シンガポール住宅開発局HDB 建築研究所
(メールアドレス) enquiries_hdbbri@hdb.gov.sg
■ 関連リンク
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