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アジア通信
第13号 2011年2月28日発行
目次

アジア人材育成基金 高度研究特集号

 東京都では、平成20年度に「アジア人材育成基金」を設置し、アジアからの優秀な留学生を首都大学東京の博士課程に受け入れ、アジアの発展や大都市問題の解決に資する高度先端的な研究を実施しています。

 これまでアジア8カ国から計17名の留学生を受け入れ、新素材開発、プロテオミクス(タンパク質研究)、水問題、感染症等の分野で、レベルの高い研究に取り組んでいます。今回のアジア通信「アジア人材育成基金 高度研究特集号」では、留学生及び研究室の協力を得て、以下3件の研究テーマについて、それぞれの留学生が取り組む研究活動内容についてお伝えします。

 強くて軽い!航空機の部品となる材料を開発します!
Ⅰ 航空機用新素材開発・利用:先進複合材構造と次世代航空技術の研究
 飛行機の翼に用いられる複合材の研究は、燃料費高騰の中、機体を軽量化し燃料費を節約することができるため、非常に注目されている技術開発です。軽量で強靭な新素材の研究に取り組んでいます。
縫合複合材の層間強化についての研究
タン クウェック ズ さん(シンガポール)
ベクトラン縫合複合材の機内での機械的強度
アリフ ユダント さん(インドネシア)
 タンパク質の研究を通じて都民の健康を守ります!
Ⅱ 高度医療開発に向けたプロテオミクス基盤技術の創生
 首都大学東京には、50年以上にわたって培ってきたタンパク質研究の資産があります。この資産を活用し、ガンをはじめとするさまざまな疾病を早期に診断して効果的な治療を実現する、先端的な高度医療技術の開発に取り組んでいます。
蛋白質‐リガンド相互作用研究へのSAIL 法の応用
ヤン チュン ジン(楊淳竣)さん (台灣)
抗体を利用したディファレンシャルプロテオミクス法による
結腸癌バイオマーカーの探索
チン チン(陳臣)さん (中国)
  洪水・渇水・水環境-都市における多様な水問題の軽減をめざします!
Ⅲ アジア都市圏における水問題解決のための適応策に関する研究
 アジアの諸都市では、気候変動の影響や人口集中による急激な都市化の進展等により、洪水や渇水そして水環境の悪化等さまざまな水問題を抱えています。巨大都市東京を実験フィールドに、アジア諸都市の抱える水問題解決に取り組んでいます。
小規模水道の原水マンガン濃度の逆推定に関する研究
ミン ビョンデェ(閔 丙大)さん(韓国)
連結型河口における塩水遡上と混合現象
グゥエン ホァン ドゥック さん(ベトナム)