我々、バンコク、デリー、ジャカルタ、クアラルンプール、マニラ、ソウル、シンガポール、台北、東京の代表は、
2007年11月25日から28日まで、アジア地域における首都と大都市間の連携と協力を強化するため、
マニラで開催されたアジア大都市ネットワーク21(ANMC21)第6回総会に参加した。
この機会に我々は、開催都市として大変な尽力の上に第6回総会を成功に導いたマニラ首都圏開発庁に対し、 深い感謝の意を表する。
ANMC21の目的を実現するための強力な取り組みとともに、アジアの首都と大都市が経済面・環境面で持続可能な ネットワークを形成するというビジョンを追求するために、我々は以下の通り宣言する。
【1】ANMC21の設立以来の6年間、我々は、中小型ジェット旅客機の開発促進、アジア感染症対策プロジェクトなどの
共同事業を実施し、着実な成果をあげてきた。今回、共同事業のこれまでの成果や現状を明らかにし、
今後の取組や方向性を取りまとめた「共同事業の見直し(再評価)」を決定した。
我々は、この見直しに基づいて共同事業を再構築する他に、新しく共同事業「都市の発展に向けたICT戦略」を
立ち上げ、連携して共同事業を推し進めることに合意した。
【2】我々は、URBANITYが都市の発展の過程における重要な問題であることに同意した。 あらゆる市民が文化的な多様性において、平和、秩序、調和を享受できることは不可欠である。 市民が自らの民族的・文化的伝統を自由に表現できることは保障されるべきだが、それは同時に他者への 適切な配慮を伴うものでなければならない。このため我々は、特に他者へ敬意を払い、規則を遵守し、 規律を守ることに焦点をあてたURBANITYと良き伝統的な価値を維持・促進させるための政策及び文化的偏見を 取り除き、都市での調和を維持するための政策に取り組む。
【3】我々は、地球温暖化は自然と人類の生存を脅かす深刻な環境問題であると考える。
したがって、あらゆるアジアの都市にとって、経済成長と低エネルギー型社会の両立を実現させること、さらにはバランスのとれ健康的で
自然のリズムと調和に合致したエコロジーを推進させることは不可欠の課題である。
我々は、将来の世代に豊かで健全な地球環境を残すことができるよう、地球温暖化による危機を回避するため、
省エネルギー設備やバイオ燃料など先進的な技術の開発と普及を進め、アジアの都市が協力して
温暖化ガス排出削減に取り組んでいくことに合意した。
ANMC21では、共同事業「都市と地球の環境問題」の取組を具体化するため、「環境技術に関する実務者会議」を
2008年2月に東京で開催する。
【4】アジアの都市が成長し続けるのに伴い、我々は、都市の規模の急速な拡大を原因とする様々な都市問題に 対処するための政策を追求している。我々は、会員都市間のより緊密な紐帯を形成するため強力に取り組むこと を確認する。そして我々は、アジアが国際社会においてその重要な役割を強化することができるように、 アジアの社会的・経済的な発展に貢献することができる都市、強力な経済力を有し、効率的で生産的な 世界第一級の都市を実現するため、直面する共通する都市問題に対して共に解決に向けた努力を行うことを誓う。
【5】我々は、先端技術の活用を通じ、アジア都市における貧困撲滅の目的に合致する廉価な 大衆住宅の設計や開発について検討することに同意した。この提案は、次回の実務担当者会議で議題として 優先的に扱うことにする。
【6】ANMC21第7回総会は、2008年の11月にクアラルンプールにおいて開催する。