我々、バンコク、デリー、ハノイ、ジャカルタ、クアラルンプール、マニラ、ソウル、シンガポール、台北、東京及びヤンゴンの代表は、2010年11月8日から9日まで東京で開催されたアジア大都市ネットワーク21第9回総会に参加し、設立して十年を迎えるアジア大都市ネットワーク21のこれまでの取組を振り返るとともに今後のネットワークの展開について率直かつ友好的な議論を交わした。
この会議の閉会にあたり、今回の会議での実りある議論を踏まえ、我々はここに以下のことを宣言する。
【1】2001年の設立以来、アジアの頭脳部・心臓部である大都市間の連帯と協力を強固なものにしながら、直面する共通の課題に対して具体的な事業を共同して行い、中小型ジェット旅客機の開発促進、危機管理や感染症対策に関するノウハウの共有、スポーツ、文化、舞台芸術の交流をはじめ、それぞれの分野で着実に成果をあげてきた。今後も共同事業の実施を通じて、アジア地域のより一層の繁栄を目指す。
【2】アジアでは、経済の成長や都市化の進展などに伴い、水・大気・廃棄物など都市環境の課題が深刻になっている。また、低炭素社会の実現など、地球規模での環境対策の展開も求められている。我々は、都市こそが先進的な取組を牽引すべきという認識のもと、都市間で具体的な経験やノウハウを共有していくとともに、企業や住民を含めた幅広い層と協力・連携し、環境と調和した社会の実現を目指す。
【3】アジアは豊かな潜在力を開花させ、世界経済のなかでも重要な役割を果たす地域となっている。今後も持続的な成長を確実なものとしていくためには、新しい技術の開発や国を越えた企業間連携の強化が必要である。各都市の産業や技術を相互に紹介する具体的な機会を設定するなど、アジア大都市ネットワーク21の活動を通じて都市間の経済交流を深化させる。
【4】こうした課題の解決や持続的な繁栄を具現化していくためには、これまでの都市間の行政レベルの交流だけでなく、企業や住民などの多様な主体の活力を取り込んだ重層的な交流を推進していくことが必要である。我々、アジア大都市ネットワーク21は、実務担当者が集う部会等で具体策を検討し、官民の連携を進め、成功事例を共有し、経済・文化・人材育成など幅広い分野での多角的な協力関係を構築することを目指す。
【5】第10回総会は、2011年の適切な時期にソウルにおいて開催する。